鑑定書付き中古車は安心か?その評価基準を理解しましょう

中古車を購入するときに、「認定中古車」や「鑑定書付き中古車」であれば安心だと考える方は多いと思います。
ただし、鑑定書は品質保証書ではなく、あくまでも**「その車が現状どういう状態か」を示すカルテのようなもの**です。
中古車業界では、AISやJAAI(日本自動車査定協会)、JUなどの第三者機関による鑑定が一般的に行われ、評価点が付けられます。
中古車鑑定の評価点と基準
評価点はオークション会場や機関によって若干異なりますが、一般的に「S〜R」の範囲で点数が付けられます。
その目安は以下の通りです。
- S点・6点・5点
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この評価はほぼ新車同様の状態を示しています。そのため、新車登録後まもない車として安心して購入できます。さらに、外装や内装も非常にきれいで、長く乗る場合でも満足度が高いです。
- 4.5点
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中古車としては極上の評価です。つまり、小キズや小さなへこみはあるものの、基本的にはそのまま乗れる状態です。つまり、外観に少しの使用感があっても、全体として非常に良好なコンディションと言えます。
- 4点
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市場で最も多い評価点で、年式や走行距離なりの小キズがあるのが一般的です。しかし、走行性能や安全性には問題がないことが多く、日常使用には十分適しています。さらに、価格も手頃で、コスパの高い選択肢となります。
- 3.5点
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安さが魅力の評価です。加えて、補修や交換歴がある場合もありますが、走行に支障がないケースがほとんどです。したがって、長く乗る予定がある場合でも、必要に応じてメンテナンスを行えば安心して利用できます。
- R点・RA点
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修復歴がある車を示しています。そのため、事故による骨格部位の交換・修理が行われていることを理解した上で購入を検討する必要があります。さらに、修復箇所の状態やメンテナンス履歴を確認することで、リスクを最小限に抑えることができます。
👉 一般的に4点以上なら安心して検討できるとされています。
鑑定書に記載される「キズ」と「修理」コードの意味

鑑定書には、タイヤの残り溝や外装・内装の状態が「記号と数字」で細かく記載されています。
代表的なものは以下の通りです。
| 記号 | 意味 | 詳細 |
| U | へこみ | U1: 小さなエクボ程度 U3: 修理が望ましいレベルのへこみ |
| A | 傷 | A1: 10cm以下の小キズ A2: A1より大きく深めの傷 |
| B | 傷を伴うへこみ | ドアパンチ跡など、へこみに傷が入っている状態 |
| W | 補修・塗装跡 | W1: ほとんど分からない W2: 比較的きれい W3: 補修跡が目立つ |
| X | 交換済み | 外装パネル交換は修復歴に含まれないが、 骨格部位の交換は修復歴扱い |
4.5点車の「リアル」な状態
4.5点でも「右フェンダーにU1」「ドアにA1×3」といった記載が普通にあります。
これらはタッチペンや磨きで目立たなくできる程度で、走行に支障はありません。
3.5点車の「訳あり」ケース
3.5点は一見「やめた方がいい」と思われがちですが、必ずしも大きな欠陥があるわけではありません。
- 横擦りでドア交換(X)や塗装(W2)がある
- インサイドパネルにわずかな歪み → 走行に問題なし
- 内装評価がC(シートにシミやスレ)
こうした理由で評価が下がっているだけなら、価格が10万〜50万円安くなることもあり狙い目です。
賢く中古車を選ぶためのポイント

- 「売却前提」か「乗りつぶし」かを決める
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- 売却を視野に入れるなら:4.5点以上が安心。リセール時も有利。
- 長く乗る予定なら:3.5点でも問題なし。コスパを重視できる。
- 傷や修理の対応を確認する
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- 小さなU1やA1:タッチペンで対応されることが多い。
- 大きな傷(A2・B2):販売店が板金修理して納車することも。
- 鑑定内容を「店員に確認」する
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- 鑑定書を見ても専門用語が多く分かりにくい。
- 必ず確認:「このA2はどの部分?」「修復歴にはならないの?」
最近では、LINEやZoomでリアルタイムに車両を映しながら説明してくれる販売店(例:バディカダイレクト)のような仕組みも登場しており、遠方でも安心して購入できます。
まとめ

- 鑑定書は「保証書」ではなく「現状記録」。
- 4.5点は極上だが、3.5点でも内容次第では「掘り出し物」。
- 鑑定書の記号(U/A/W/X)を理解し、販売店に具体的に確認することが安心への近道。
「売却重視なら4.5点以上」「コスパ重視なら3.5点も検討」 が、中古車選びの賢い考え方です。

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